●低所得障害者1割負担減免

  預貯金350万以下要件

  社福法人の公費助成は1/2以上

 障害者自立支援法案で導入される障害福祉サービスの定率一割の利用者負担を軽減するため、通所サービスやホームヘルプには社会福祉法人を介して一定の低所得者に減免を行う仕組みが設けられる。七月二十八日の参議院厚生労働委員会では、尾辻秀久・厚労大臣が減免対象となる低所得者の要件を「単身世帯なら預貯金が三百五十万円以下であること」などと説明した。

 社会福祉法人減免は一定の低所得者のみを対象とした三年間の経過措置で、一割負担の月額上限を実質的に半分程度にする仕組み。一つの事業者でかかる利用者負担が所得階層ごとに設定された上限額の半額を超える時、超えた部分を法人が負担し、法人へは一定割合の公費が助成される。

 対象者は「低所得1」「低所得2」(市町村民税非課税世帯)のうち、収入と預貯金が一定額以下の人だ。その額について尾辻厚労大臣は質疑の中で「単身世帯の基準額は収入が百五十万円以下、預貯金が三百五十万円以下。世帯員が一人増えるごとに収入は五十万円ずつ、預貯金は百万円ずつ増やした額を基準とする方向で検討中」と明かした。

 減免対象となるサービスは、@通所施設、デイサービスA二十歳未満の施設入所Bホームヘルプサービス等――。これらの要件を満たした「低所得1」の人の場合、当初の案でいう月額負担上限一万五千円の半額(七千五百円)を超える部分が減額される。

 同様に、「低所得2」の人では上限二万四千六百円の半額(一万二千三百円)を超える部分が減額される。ただし、通所とデイサービスの利用者に関しては負担増が大きいため、七千五百円を上限にする方向で検討中だ。

 例えばホームヘルプを月二十二万円利用した場合、「一般」では一割の二万二千を負担する。「低所得2」の人も当初案の負担上限額内なので二万二千円負担するところを、法人減免によって一万二千三百円が上限となるので、残りは減額される。

 また、減免を実施した法人へどの程度の割合で公費が助成されるかについて尾辻厚労大臣は「減額分が本来法人が受け取るべき総額の5%に達するまでは二分の一を助成。5%を超える場合は、法人の負担が重くなるので四分の三を助成する方向で関係省庁と調整中」と答えた。減額が大きいほど法人の負担も大きくなるため、半額以上は公費助成する方向だ。

 ただ、同日の審議では野党議員から「いくら減免があったとしても、現在無料でサービスを利用している人たちに大きな負担が生じることに変わりない」などの批判もあった。

福祉新聞 2005.8.8(月)