●八雲病院再指定−難病患者ら安堵感

 他病院には不公平感も

 国立病院機構八雲病院(千葉靖男院長)が一日、保険医療機関の指定を受けたことで、難病患者ら安堵が広がった。一方、同病院の前身の旧国立療養所八雲病院と同様、医師名義借りによる診療報酬の不正受給で指定取り消しとなり廃院した病院関係者には「再指定」への不公平感も出ている。

 八雲病院の入院や外来患者の多くは、筋ジストロフィーと脳性まひなどの重度心身障害の患者。旧国立療養所が昨年一二月に指定を取り消された後も、国の特例措置で医療費の自己負担の割合は変わらなかったが、患者や家族らは早急な指定を国などに求めていた。

 同病院の筋ジス患者の家族でつくる「八雲筋ジス患者親の会」小林石男会長は「特例措置は暫定的なもの。心配していたので指定喜ばしい」と胸をなで下ろす。

 だが同様に指定を取り消された病院関係者の思いは複雑だ。取り消しで廃院に追い込まれた道東の病院の元院長は「民間病院は病院長が辞め、別法人にならなければ指定されない。八雲の元病院長は減給と異動のみ。国の機構改革で別法人になったから指定されるのは納得いかない」と対応の差に首をかしげる。

 道保健福祉部の幹部は「患者のため八雲の指定は歓迎するが地方の市町村立病院でも名義借りをしていたところはあり、そこが診療報酬の不正受給をし、指定取り消しになった場合、今回のようにスムーズに“再指定≠ウれるのか」と指摘する。

北海道新聞 2004.7.2(金)