●茨城県里美村

 運営協を6日開催 過疎地の自家用車有償運送

 茨城県里美村は6日、NPOによる自家用車の過疎地有償運送実施へ向けて「運営協議会」を開催する。村長、村議会、住民代表に加えて、県、茨城運輸支局も参加する。同村商工会(白石良会長、210者)が運送主体となる。会議では運賃体系、運送方法など具体的課題を検討した上で、承認を得る予定だが、月内に再度協議会を開催し、細部を詰めることとなりそう。その後、茨城支局に申請、許可を受け実施となる。

 鉄道なく、タクシー会社もない「交通空白地域」で、交通弱者対象とした自家用車による有償運送が円滑に運営されるか、盛り行きが注目される。

 同村では県の最北端久慈郡に位置にしており、水戸市から50キロ北方にある。人口4400人のうち3割を占める高齢者の足をどう確保するかが課題となる。

 運営方法めぐって、県企画部や茨運支局などと準備会を重ね、事前協議してきた。このほどまとめた「輸送事業の実施要綱」案によると、以下の方式を採用する方針だ。

 名称は里美村「うぐいす館」輸送事業とし、運送区域は同村および近隣の市町村とするが、発地か着地のどちらかが里美村であることとする。

 輸送対象は、公共交通機関の捕強を目的としているため、同村の住民で高齢者や運転免許証を持たない交通弱者に限り、付き添え者を含み事前に登録。登録名簿には氏名、住所、年齢など必要事項を記入。登録料3000円をおさめる。

運賃はキロ当たり100円

 運賃は、タクシー運賃のおおむね半額を目安とし、1キロメートル当たり100円。発地または着地が村外の場合は500円増とし、村外輸送分は割高とする。時間待ち料金は10分間当たり100円とする。支払いにはあらかじめ購入した「うぐいす利用券」(1冊500円)を使用する。

東京交通新聞 2004.9.6(月)