●タクとNPOの連携促す

  西東京市で交通セミナー

 地域の交通は地元のサービス供給者自ら考えよう――。西東京市のNPOとタクシー会社が参加して23日、田無総合福祉センターで地域交通を考えるセミナーが開催された。NPOとタクシーが同一テーブルで地域発信型討論をしたのは多摩地区では初めて。即時配車できるタクシーと予約主体のNPOが補完しあう共同配車センター検討の提案もあった。セダン特区の福祉運営協議会を10月4日スタートさせる市も傍聴で参加、関心を示した。

 社会福祉協議会と移動サービス連絡会(加盟10団体)の音頭で開催。地元タク会社・NPO、ケアマネジャーなど50人が参加。パネリストとして、タクシーから同市と契約する三幸自動車の町田栄一郎副社長、つくば観光交通の小林信勝企画室長が参加。NPOは@移動サポートひらけごまA自立生活企画B生活援助為センターC訪問サービスいずみD医療法人社団松和会・望星田無クリニックE肢体不自由児・者友の会ととろクラブF腎臓病連絡協議会すずらんの会Gハンディキャップサポート・ウーノの会H西東京市社会福祉協議会チェアーキャブI西東京市障害福祉課(けやき号)。すずらんの会の伊藤絵利子事務局長が総合司会。討論の司会を本社の武本英之編集局取材部長が担当した。

 三幸の町田氏とつくばの小林氏がタクシー会社の福祉介護移送への取り組みを画像で説明。NPOの各代表は日常の活動を報告した。地元タク会社の西武ハイヤー、田無交通、大和交通保谷も事前調査に協力、提出資料と会場の質問票をもとに意見交換した。

 会場から@透析患者など通院時の帰路輸送をどうやり繰りするか。NPOでは対応し切れておらずタクシーとの連携はできないかA知的障害者へのメンタルケアまでできるドライバーをどう育成するかB緊急時の対応にNPOは弱くタクシーなら可能かC即時配車できるタクシーと予約が多いNPOがどう連携するかD助成の仕組みをどう作るか――などの問題が提起。

 西東京市は人口18万9000。65歳以上が18%を占める高齢社会で、このうち要介護認定者などの移動困難者が約5%を占める。セダン特区が動き出す同地域だが、移動困難者を前にNPOとタクシーが新たな模索を始めた。

東京交通新聞 2005.8.29(月)