介護保険と障害者福祉の統合 

  知的障害者団体、賛成へ

 05年の介護保険見直しの重点である障害者福祉との統合について、知的障害児・者と家族でつくる「全日本手をつなぐ育成会」(32万人、東京都港区)が統合に賛成する意見書案をまとめたことが、7日わかった。厚生労働省と協議している身体・知的・精神障害者の8団体のうち、初めて賛成を打ち出す。各団体が考えを示す厚労省の意見聴取を18日に控え、統合論議に影響を与えそうだ。

 意見書案は、03年度にスタートした障害者支援費制度が「財政的に破綻状態」である、と指摘。障害者の地域生活を支えるサービスの増加に対応するには「支援費制度の改革のみでは不十分」とし、「安定財源を保障するため介護保険との統合は必然」と結論づけている。地方組織の意見を聞き、16日に正式決定する。

 藤原治理事長は「1割の自己負担が必要になるなど課題は多いが、新しい方向性をつくらないといけない」と説明する。

 厚労省は、40歳以上となっている介護保険の被保険者年齢を引き下げ、障害者福祉と統合することを検討している。

障害者団体には「介護保険には上限があり、必要な介護を受けられなくなる」「高齢者と障害者のサービスの内容は違う」など不安が根強く、統合に慎重な意見が多い。

朝日新聞 2004.6.8(火)