●障害者部会 中間まとめ

 介護保険との統合「選択肢の一つ」

 社会保障審議会障害者部会(京極高宣部会長)は十三日、今後の障害保健福祉施策について中間的なとりまとめをした。

 介護保険制度を活用することについて「現実的な選択肢の一つとして広く国民の間で議論されるべき」と前回の部会長案を踏襲し、これを十六日の介護保険部会へ正式に報告する。具体的な制度設計に関する今後の議論は、介護保険部会にバトンタッチすることになる。

 統合の賛否に関しては意見を統一しきれなかった経緯があり現在もなお明確に絞り込めてはいない。しかし、障害者部会から介護保険部会へ意見を発信しなければ話が進まない状況にあり、「選択肢の一つ」とすることで落ち着いた。

 障害者部会では、介護保険制度を統合するかどうかの議論に話題を狭めず、障害者施策の全体像を描こうと検討してきた。

 「中間とりまとめ」は、その議論の中からボイントを抽出して整理したもので、制度を障害種別で縦割りにすることなく共通の枠組みにすべきとの基本的な方向性を打ち出している。

 様々な類型がある福祉施設を機能別に整理することや、これまで施策から漏れてきた高機能自閉症や学習障害などを支援することなど新たな体系の在り方にも踏み込んだ。

 特に就労支援は中心的な課題とされ、「どう実行し実現するかという階段に入っている」との認識立っている。一般就労へ移行させるだけでなく、一般就労につながらない人たちの働き方を検討すること、そのために施設体系を摂理することにも触れた。省内では障害者の就労支援に関する検討会議が見直しの方向性をまとめており、今後の検討課題となる部分だ。

 また、地域生活への意向を進めるたまに住まいの確保を提言したほか、障害者ケアマネジメントの制度化などを明記した。

福祉新聞 2004.7.19(月)