●札幌病院南ヶ丘診療所跡

 受け入れ先探し難航 高額の維持費が障害

 【豊平区】三月で廃止された豊平区平岸五の一五の市立札幌病院南ヶ丘診療所の跡利用が決まらず、難航している。市は保健福祉関係施設として関係団体に利用を呼びかけたが、受け入れ先は見つかっていない。市は今後、利用方法を広げて探す考えだが、来年度の予算編成が始まる秋口までにめどが立たない場合は、解体も検討するという(須藤幸恵)

 南ヶ丘診療所は感染症用の専門病棟として一九八〇年に完成した。鉄筋コンクリート造り地上四階・地下一階建て。延べ床面積約三千三百平方メートルで、当初、六十床あった病床は十床に縮小。九九年施行の感枠症法で一、二種の感枠症患者の受け入れが病院のみに限られ、同診療所は五年間の経過は措置を経て廃院となった。

 市保健福祉局は同診療所が病棟として国からの補助を受けて建設されたことや建物内部が個室で細かく仕切られ、事務所への転用が難しいため、保健福祉関連施設としての利用を検討。今年四月、かねてから重症難病患者用の診療所付きケアハウス構想を温めてきた道難病連が有力候補に浮上。道難病連側も前向きに検討を始めた。

 しかし、その後の協議で、市は配管や空調設備の修繕が必要なことや年に年数千万のかかることを説明。予算編成の手続き上、六月未までに受け入れ可能かどうか返答を求めた。

 道難病連側は難病治療に当たる医師らとともに検討したが、「一団体でこれだけの費用負担は難しい」と判断、受け入れは困難と答えざるを得なかったという。

 道難病連の伊藤たてお事務局長は「難病患者向けケアハウスを求める声は強い。南ヶ丘を全く、あきらめたわけではなく、市の施策として難病事業を位置付けることや利用科の軽減など、今後も実現に向けて市に粘り強く要望していきたい」と話している。

 市は今後、全庁的受け入れ先を照会することにしているが、見通しは立っていないという。

北海道新聞 2004.7.27(火)