●府内11団体の申請承認

  移送サービスネット泉州

  有償運送で討論会

 移送サービスネットワーク泉州(代表=松端克文桃山学院大学助教授)は8日、和泉市の和泉シティプラザで福祉有償運送事業の円滑化に関する討論会と運行管理者講習会を開催した。

 討論会では大阪府健康福祉部の領家誠健康福祉課主査が福祉有償運送制度の概要を説明。府内5ブロックで今年7月に「運営協議会」を開催し、道路運送法80条許可を申請する事業者の審査を開始。5ブロックでは大阪市3、北摂3、河北3、中部2、泉州1の12団体について審査を行い、11団体について申請を承認しているとした。実際には申請書類の作成等に時間がかかっており未申請事業者がいる。

 領家氏は、有償運送事業の運賃設定額について運営協議会によっては「タクシー運賃の半額」に縛られた議論になっているため、「事業者が設定する半額の基礎となる数値として時間制、距離制運賃の刻み額一覧表を参考提示している」とした。

 このほかかながわ福祉移動サービスネットワークの河崎民子代表、NPO介護移送協会の黒田司郎会長らが、それぞれの立場から移送サービスのあり方について意見を述べた。

 これに先立つ運行管理者講習会では、大阪脊髄損傷社協会の宮脇淳理事が「車いすのメカニズムと介助手法」、NPOえぷろんの会の岩井俊子代表が「運行管理体制の現状」について講演。「運行管理者に求められる事」をテーマに黒田金助協会長、兼平年勝NPOFORS代表、インストラクター養成の末松朋之指導主任らがディスカッションした。

 大阪運輸支局はこのほど、道運法80条に基づく福祉有償運送許可事業者数をまとめた。特区から事業継続する枚方市で8月に2事業者を許可し19事業者となったほか、新たに運営協議会を設置した5ブロックのうち北摂で2、河北で2、泉州で1の計5事業者にとどまっている。大阪市と中部ブロックではまだ申請が出ていない状況。

 最近の許可事業者は次の通り。

 枚方市 社会福祉法人福友会2台、NPOホームベース2台
 河北 大東四条畷保健生活協同組合2台、自立生活センターいしずえ1台
 泉州 医療法人医進会1台
 北摂 NPOのせ田里伊能2台、NPO高槻ライフケア協会5台

東京交通新聞 2005.10.17(月)